初めて言葉を交わしたのはいつの日だったか、彼女とはそんなに関わり合いがあるほうではなかった。 指揮隊長であるからといっても、話を全くしない者も多い。もそのひとりだった。 だが人生何があるか分からない。彼女とこんなに仲良くなるとは思わなかった。そしてこの胸の高鳴り、我ながら愚かだと感じた。 もうサクラは散り、あの場所に立ち入ることも少なくなってしまったが、それでもテラスなどでを見ることは多々あった。 その度に足は自然と彼女のほうへ向かう。私の存在に気がつくとはいつも笑顔で応えてくれる。その笑顔がいつも眩しいと感じた。 いつ死ぬかも分からないこの時代で、私は一体どうしたというのだろう。は不思議そうな顔で隊長?と呼びかける。



「隊長、この戦争が終わったら何がしたいですか?」

「…何がと言われてもな」

「いやほら、何処かお出かけしたい!とか何かあるでしょう?」

「…ならと何処か出かけるか」

「え…!?」

「嫌か?」



一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔でいいえ!と言う彼女が愛しく感じた。この笑顔を守るために、私は命を賭して闘うと誓おう。 もしそれが、を悲しませる結果になろうとも―――






あれから、0組は女王暗殺容疑をかけられ、議会は0組に全責任を押し付けようとしている。そして私にもミッション参戦の命令が下った。 ミッション内容は死に等しいものだった。だが、私は抗いはしない。これでを守ることができるなら死ぬことさえ厭わない。



「さぞかし恨まれるだろうな」






― 嵐の月17日

セツナ卿が秘匿大軍神を召喚するため、私の部隊は支援としてこの地に居る。もう多くの候補生が倒れ英霊された。 私も、恐らく駄目だろう。走馬灯のように蘇るのはとの日々、そして笑顔だった。



…」


『いっ一緒に見ましょう!来年もっ!』


「すまないな…っ」


『また一緒にサクラを見ると約束したじゃないですか!』


「約束…守れそうにない…っ…」


サクラが舞っている


「朱雀に……」


最期に見えたのは、あの場所で微笑む私と


「クリスタルの」


の笑顔で


「加護あれ―――――ッ!!!!」


の声が聞こえた気がした―――



「っ!…隊長?」



あれから、不思議な夢を多々見る。サクラが咲く中庭で、いつも誰かが立っている。そして振り向くと同時に私の名前を呼ぶ。 でもどうしても目が覚めて考えてみても誰なのかは愚か、顔さえもはっきり分からない。するとトンベリがぴょんっ!と私の膝の上に乗る。 このトンベリは亡くなった隊長の従者だそうで、0組で引き続き預かることになった。そのトンベリは何故か私にはすごく懐いてくれてて今もこうしてお膝の上にいるわけ。 まるで以前から仲が良かったみたいにね。



「ねえ、トンベリ」

「?」

「一体誰なんだろうね」

「…………」

「いつも私の名前を呼ぶの」

「なんか心の中が空っぽだよ」



するとヒラヒラと何かが舞い落ちてきた、ピンク色の可愛らしい花びら。



「…サクラ?まだ冷の月だというのに…」



「え?」



聞き覚えのある声、でも見渡しても誰もいない。すると次ははっきりと大きい声が聞こえる。 中庭と教室を繋ぐ扉の方向を見ると、ナインが呼んでいる。



「今行くよ!」



サクラの花びらをポケットに入れて、走り出す。次のサクラはどの年のサクラよりも綺麗な気がするよ。 だから、それまでに夢で見たあの人が誰なのか無理やりにでも思い出してやる。とてもとても大切な人だったような気がするから―――













冷の月、追憶の花

(たとえ忘れられていようと、私はいつもお前を見守っている)









end...


長々とgdgdとすみませんでしたああああ!!!!
もうね、文才が無い以前の問題ですわこれ。
本当にごめんなさい><
さぞかし〜と嵐の月の間に優しい花、嘘に枯れ果てるの話って感じですね。すみません(´;ω;`)