風の月も終わり、私たちはミッションに追われていた。日が経つにつれ、様々な困難が朱雀を襲った。 あの日から隊長との口数も減ってしまったけれど、それでも隊長との関わりが一切ないわけではないからよかった。 たまにテラスでお話したりしていた。その度に見られる隊長の微笑みは私の癒しとなっていた。 一緒に時を過ごせるだけで本当に幸せだった。だけど―――



「隊長っ!!」

「どうした?」

「次のミッション…私たちのせいって本当ですか…?」

「…お前たちのせいなどではない」

「じゃあ何故ですかっ!」



自分でも驚くぐらいの大きさで言った。隊長は一瞬驚いた表情を見せたがすぐにいつもの表情に戻った。 少し間を置いて隊長は口を開いた。



「お前たちを―――いや、お前を守りたいからだ」

「え…?」

、お前は仲間と共に笑い、そして共に闘って生き抜け」

「それが、私の最後の願いだ」



沈黙が走る。わからないよ隊長、最後の願い?私を守りたい?そんなの私は望んでないよ。 私が望むのは隊長との日々、そしてあの日の約束なのに。どうして自ら死に向かうのですか。



「また一緒にサクラを見ると約束したじゃないですか!」



精一杯の声で隊長に訴えた。隊長の顔をまともに見ることができない。視線も合わせられない。 やりきれないこの気持ちは、やがて涙となって溢れた。悔しい、つらい。私がどう足掻いても隊長の意志が変わる事はない。



「嘘つき…っ」

「…そうだな、私は嘘つきだ」

「だから最後にもうひとつ、言わせてくれ」



それを聞いてまた涙が一粒流れる。嗚呼、隊長―――あなたは本当に嘘つきです。 嘘吐きで、でもとても優しい人です。



『来年もまた一緒にサクラを見よう』













優しい花、に枯れ果てる

(でもその嘘を、未だ信じ続ける愚かな私がいる)









end...


しつこいぐらいまだ続きます(´・ω・`)
次は一緒に見ようって隊長に言わせてみたかっただけなんです。
恐ろしく意味不明です、隊長ってストレートな優しさあんまりないですよね(; ・`д・´)
心情で言うと、隊長の最後の言葉は結構本気なようで嘘だったりみたいな感じです。
ヒロインちゃんは嘘だってわかってますが…