「ごほっ…げほ…っ」
咳がとまらない。ここずっととまらなかったけどどうやら風邪を引いたようだ…。すごくだるくてしんどい。
今日は天気が良いから中庭でゆったり過ごそうと思ったけどこの体調では無理かな。
マザーに診てもらおう。よっこいせと重い身体を起こして魔法局に足取りを進める。マザーいるかなあ…。
「あら。何かあったのかしら?」
「咳がとまらなくて…身体もすごくだるいんです…」
「風邪かしらね。ちょっと診てみるわ」
そう言ってマザーは検査をしてくれた。しばらくするとマザーは少し困った様子をしていた。
何か異常が出たのだろうか。不安になったきた…。するとマザーが口を開いた。
「インフルエンザね」
「…え」
「しばらくは自室で安静になさい。薬とご飯はあの子達に運ばせるから」
「分かりました…。ごめんなさいマザー…」
「いいのよ。大事になさい」
やっぱりマザーはすごく優しい。本当のお母さんのように心配してくれる。
みんなに迷惑をかけるのは気が引けるけど、インフルだし仕方ないかな…。
自室に戻り、ベッドにごろんと寝転ぶ。すると睡魔が襲ってくる。
安静にしなきゃいけないし、しばらく寝るとしますか…。
「…―――…」
これは夢?現実?どちらなのかわからないけど何か聞こえた気がした。
額がすごくひんやりして冷たい。これも夢?そう思った瞬間、目が覚めた。
眩しい、今何時だろうか?すると誰かいる。
「おう、目覚めたかぁ?」
「ナ、ナイン?」
「俺以外誰がいるんだ?あぁん?」
「ご、ごめん…!」
意外な人物だった。どうやらずっと看病しててくれたらしい。額にあるひんやりとしたタオルも彼の仕業らしい。
っていうか大丈夫なのか。インフル移らないかこれ…。
「ていうかナイン!インフル移っちゃうよっ!」
「ほらよく言うだろ。バカは風邪引かねえってよぉ」
「風邪じゃないから!インフルだから!」
そのあとはナインの勢いに圧倒されて何も言えず言う事きいてた。
普段の彼とは全然違うからびっくりしたけど、優しい一面もあるんだなあと見直した。
やっぱりちょっと乱暴だけどね。そして次の日もその次の日もナインが看病してくれた。
そのおかげでほんの数日で全回復して授業にも出られるようになった。だけどその日ナインはいなかった。
「あれ?ナインは?」
「なんかインフルで倒れてるらしいよぉ〜」
「ええええええええええ」
「のが移っちゃったんじゃないの?」
ケイトとシンクが笑いながら言ってたけど、私は急いでナインのもとに向かった。
ナインの部屋に入るとベッドでぶっ倒れてるナインがいた。
彼の枕元に立って、額を触る。すごく熱い。だから言ったのに…。
「だから言ったじゃんばーか…」
「んっ…かぁ…?」
「そう…んん…っ!?」
ナインがいきなり抱きついてくるもんだからびっくりした。私に抱きついてぐったりとしたままぴくりとも動かない。
そして息が荒いのが聞こえる。もうおとなしく寝転んでと促しても何も言わない。
動こうにも動けないからそのままの体勢でいる。しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてくる。
本来なら体勢が苦しいから文句言ってやるんだけど、看病してくれた恩もあるし私はそのままにした。
寝顔も結構可愛いから許してやろう。彼の頭を撫でて一言こう言った。
「おやすみなさい。」
冬の病は厄介です!
(インフルも厄介だけど、この胸の高鳴りのほうが厄介かも…)
おまけ
「やっぱりナインはインフルになりましたね」
「でもいいんじゃないの?イチャイチャしてるみたいだし!」
「すごい形相で看病は全部任せてくれって言ってきたもんねぇ〜?」
トレイとケイトとシンクがふたりの様子を見ながら会話してました。
end...
この世界にインフルエンザがあったらなあーっていう妄想。
最近インフル感染者が出てきたのでふと出てきたネタです。
マザーとかナインとかみんなの口調がわからないです(´・ω・`)
もっとお勉強しなきゃ!