私はずっと昔から負けず嫌いだった、魔法も知識も戦闘技術も誰にも負けたくなかった。そんな私もやっと努力が実って0組に入れた。
みんなすごく良い人ですぐ仲良くなっていった、マザーのことも好きになった。本当のお母さんみたいでつらいとき頭を優しく撫でてくれた。
そして、0組が戦争介入されるとなったとき指揮隊長も来た。指揮隊長ことクラサメ隊長は元朱雀四天王の一人で氷剣の死神と謳われた人だった。
最初は無愛想で冷たい人だと思ったけど、話をするうちに優しい人だと気付いた。そして…この想いの正体も。未だに伝えられぬこの想いが恋だと気付いたとき朱雀は窮地に追い込まれていた。
女王暗殺容疑をかけられた私達のせいで蒼龍は白虎と連合し、朱雀のルシ・セツナ卿は秘匿大軍神を召喚する方針を決めた。
そして、此度の失態で隊長は―――
「どうして、黙ってたんですか」
「………」
「死に逝くとわかってのことですか」
「…ああ」
ふたりっきりのテラスは暗い重苦しい空気になっていた。天気は苛立ちを覚えるほどの快晴。隊長は一歩、二歩と歩みを進める。
そしてぽつりと呟いた。
「朱雀の為、誇りに思う」
「っ…!何故ですか!この国にそのような価値など…っ!」
「」
その目は鋭く真っ直ぐ前を見据えていた。ああ、そうか。あなたはそういう人だった。この国を誰よりも誇りに思い、愛してる人だった。
国に嫉妬しそうです。なんてこと、可笑しくて言えないけれど。
「私は、隊長のこと忘れたくないです」
「…そうか。なら忘れないように何か残しておくか」
「隊長…っ!」
「、最後にひとつだけ頼みがある」
「…何でしょうか」
「私の名前を呼んでくれないか」
哀しげに言う隊長は今にも消えてしまいそうだった。いつの間にか隊長の後ろにいたはずのトンベリは隅っこのほうに居た。
気を遣ってくれているのだろうか。
「クラサメ隊長」
「隊長はなしだ」
「…クラサメ」
「もう一度」
「クラサメ…っ」
涙が溢れた。すると隊長は私のほうに歩み寄ってきた。一瞬何が起きたのかわからなかったけど、すぐに理解できた。隊長に抱きしめられていた。
今までの想いが涙と共に溢れ出た。隊長は私の頭を撫でたあと、耳元で小さく囁いた。そしてそのあと重苦しい足取りで去ってしまった。
その言葉が私の頭に響いて離れない。時が、止まった気がした
『愛してる、そして―――』
さようなら
(もう今では顔も声も、想いさえも思い出せない)
end...
たいちょおおおおおおおお!!!!(´;ω;`)